研修医募集

当科での研修を勧める理由

研修制度特徴

  • 国立大学病院としては全国最多の患者数を診療しており、豊富な症例を経験できます。
  • エキスパート揃いで臨床の手を抜かない指導医による個別指導と多くのカンファレンスで徹底的な症例検討により、診断学や治療学はもとより、「言葉」を学ぶことができます。
  • 他施設ではまねのできない年間120時間を越えるクルズス(勉強会)を受けることができます。
  • 精神科薬物療法では日本のオピニオンリーダーであり、心理社会的療法での先進的な取り組みも多数実践しています。
  • 国立大学病院としては全国最多のコメディカルスタッフを有し、充実した多職種チーム医療を実践しており、日本国内の精神科医療のモデルとなっています。
  • 特定の流派に偏らず、偏りのない、バランスのとれた治療方針が当科の伝統であり、特定の治療法や疾患に偏らない常識的な精神科医が養成されています。
  • これほど精神科研修が充実している機関は大学病院でも少なく、系統的な指導体制は他の追随を許さないものと思われます。

当科では精神科医を目指す医師に対して大きく分けて以下の2つのコースの研修を行っています。

A.後期研修コース:後期研修医としての当科で1年間研修するコース

B.初期研修コース:初期研修医の2年目に当科を長期選択して研修するコース

A.後期研修コース

すでに、卒後臨床研修を修了した医師(卒後臨床研修で精神科選択を1~3ヵ月と短く選択した方も含めます)、 あるいは他科や基礎の講座で勤務していた医師で精神科医への転向を希望する方、他大学や他施設の精神科で勤務していた方であらためて当科での研修を希望する方が対象となります。2018年度からは原則として当科が基幹施設の専門医研修プログラムに入り、 当科で1年間の研修を受けます。その後、北海道内の地域の中核病院(専門研修プログラムの連携施設)に勤務し、研修を受けます。専門研修プログラムの場合、原則3年間で精神科専門医取得のために必要な症例を経験します。すでに精神科専門医を取得している医師も受け入れていますが、2年目以降の研修については個別にご相談いたします。

北海道大学病院連携施設精神科専門医研修プログラム(PDF:495KB)
医師(専攻医)は当専門研修プログラムへの採用後、研修施設群のいずれかの施設と雇用契約を結ぶこととなります。
本専門研修プログラムは、日本精神神経学会による一次審査を通過したものであり、今後日本専門医機構による二次審査を踏まえて修正・変更があることを予めご承知おきください。

B.初期研修コース

医学部卒業後、北海道大学病院の卒後臨床研修プログラム(初期卒後臨床研修と呼びます)に参加し、1年目は北海道大学病院または提携病院で内科・救急をはじめとした必修科目を中心に研修し、2年目に北海道大学病院で精神科を長期間選択して研修します。9~11ヵ月選択できますが、当科でのクルズスなどの研修をしっかり受けていただくために11ヵ月間の研修をお勧めします(残り1ヵ月は地域医療)。他の診療科をどの時期に選択するかなどの詳細は当科までご相談ください。当科での研修内容は上記の後期研修コースと基本的には同じです。

<例>

1年目(北大病院と連携している臨床研修病院または北大病院にて必修科目を中心に研修)
⇒内科6ヵ月、救急部・麻酔科3ヵ月など
2年目(北大病院)
⇒各選択科(精神科)11ヵ月+地域保健・医療1ヵ月

当科で1年間研修した後は、2018年度からは原則として当科が基幹施設の専門研修プログラムに入り、さらに3年間の研修を経て専門医取得を目指します。3年間のうち、原則として当科で1年間、北海道内の地域の中核病院(連携施設)1~2ヵ所で計2年間研修します。専門研修プログラム3年間のうち、当科での研修をいつの時期に行うかはその都度ご相談いたします。
必修科目と選択科目の研修の詳細は北海道大学病院初期医師臨床研修をご覧下さい。

2つのコースと新専門医制度の専門研修プログラムとの関係性は下図をご参照ください(図1)。両コースともに、さまざまな事情で予定通りの研修を進められないような場合(妊娠、出産、育児、病気療養等)も、柔軟に対応しますのでご安心ください。

図1

当科での研修内容と特徴

病棟研修

病棟では、さまざまな指導医とペアを組んで主治医として入院患者の診療にあたります。年間で約30例の入院患者を担当します。受け持った入院患者の経過、状態、治療について、病棟医長を中心とした週2回のカンファレンスや週1回のグループカンファレンスで詳細かつ活発に討議されます。新規の入院患者については指導医の徹底的な指導の下で研修医が病歴を作成し、週1回の新患紹介の場でプレゼンテーションし、医局員全員で検討されます。これらのカンファレンスを通じて、精神科の診断と治療の考え方を学んでいきます。
当科の病棟は開放病棟40床と閉鎖病棟30床の計70床であり、国立大学病院としては全国で最大規模を誇り、延べ入院患者数は例年1~2位を争っています。疾患も多彩で、あらゆる年代層が入院しています。気分障害や統合失調症のほか、認知症などの器質性精神障害や症状性精神障害、さらには難治性のてんかん、重症の摂食障害の方も数多く入院しています。てんかんや摂食障害は精神科の中でも専門性が高く、重症例に対応している施設は限られますが、当科は両疾患を専門に診療しているグループがあり、北海道の中核的役割を果たしています。
このように当科の病棟研修においては経験できる症例が非常に豊富であり、さらに短期間で後方病院に移すことは原則していないため、患者さんをきちんと「治す」経験を積むことができます。

外来研修

外来では、研修医が初診患者の予診をとります。限られた時間で主訴や経過を聞き取り、それらを要領よくまとめて初診担当医師に報告し、診察に立ち会いながら、面談技法や診断のプロセス、治療方針の選択法などを学びます。最終的な病歴を研修医がまとめ、その際も指導医の丁寧な指導が受けられます。
当科の外来患者数は1日平均約200名に上り、延べ外来患者数は国立大学病院では最多であり、あらゆる年代、あらゆる疾患が経験できます。児童思春期専門外来もあり、児童思春期精神医学をしっかり学ぶことのできる全国でも数少ない大学病院です。
また、他科入院中の患者に対応するリエゾン外来担当医がおり、研修医は指導医の往診に同行してリエゾン症例を多数経験します。リエゾン症例の内容も多彩で、せん妄をはじめとした器質性精神障害のほか、緩和ケア症例、臓器移植の術前評価なども経験できます。
当直研修も行っており、精神科救急を経験できます。初期研修医は単独で当直することはなく、必ず指導医と一緒に行います。

チーム医療・心理社会的療法の研修

当科の診療の最大の特色は充実したチーム医療です。コメディカルスタッフの人数は国立大学病院では最多を誇り、入院患者には全例に主治医、担当看護師のほか、担当の精神保健福祉士、臨床心理士、精神科作業療法士、薬剤師が付き、チームで診療に当たっています。隔週で全担当者が集まる多職種チームカンファレンスが行われ、病棟でのチームカンファレンスも随時行われています。このようなチーム医療の研修は他施設ではまず経験できません。
このチームを生かして、当科では全国に先駆けてさまざまな心理社会的療法を行ってきており、デイケア、作業療法、病棟レクリエーション(音楽療法・芸術療法など)、認知リハビリテーション、統合失調症集団心理教育、気分障害回復活性化統合プログラム(復職支援プログラム)、気分障害の集団認知行動療法などに研修医も触れることができます。

クルズス(勉強会)

診療研修以外での最大の特色がクルズス(勉強会)です。この勉強会は全教官スタッフや臨床心理士、精神保健福祉士が、それぞれ専門分野を担当し、精神医学の基本的知識に加え、最新の知見をレクチャーします。これは1年間継続され、年間120時間を上回ります。診療での経験に加えて、系統的に精神医学を学ぶ時間がこれほど多く用意されているのは全国で当科だけだと自負しております。
平成29年度のクルズス内容を列挙すると、「統合失調症」「気分障害」「神経症」「司法精神医学」「老年期精神医学」「脳画像」「精神療法」「てんかん」「リエゾン精神医学、器質性・症状性精神障害」「児童・思春期精神医学」「臨床心理学」「薬物依存」「臨床統計学」「認知機能検査」「社会福祉制度」となっており、精神医学のほとんど全てが網羅されています。研修医にとっては、砂漠に水を注ぐようにみるみる知識が吸収され、生涯で最も勉強する機会となると思います。
また、座学だけでなく、診察場面のロールプレイも行っており、知識の獲得に加え、より実践的な学びとなるよう工夫しています。

その他

教室行事

毎週水曜日に開催されている「教室行事」では、医局員による症例検討や研究報告、外部講師による特別講演、精神鑑定症例検討などが行われています。また、教室行事は関連研修病院にもWEB配信されており、連携施設での研修中も視聴することができます。

児童思春期精神医学関連施設研修

児童精神科クリニックや発達支援センター、少年鑑別所、幼稚園、保健センターでの乳幼児健診など、大学病院では経験できない児童思春期精神科医療に関連する施設の研修も行っています。

研究会・研修会・学会など

当科の教官が中心となって行っているさまざまな研究会や研修会が数多く開催されており、希望があれば研修医も参加可能です。北海道精神神経学会や日本心身医学会北海道支部例会、日本てんかん学会北海道地方会などの北海道の地方学会にも参加することができます。希望者は北海道認知行動療法センターで開催されている認知行動療法関連のワークショップなどにも参加できます。

研究

研究に興味のある研修医は、医局員の研究にも触れることができます。当科では臨床研究と基礎研究の両方が行われており、その領域や手法も多彩で、さまざまな研究が行われています。また、研修医は「卒業発表」と称して、指導医とペアを組んで症例報告や研究報告を年度末に上記の教室行事で発表します。この卒業発表を学会で発表したり、研修医のやる気次第では論文化したりするところまできちんと指導します。

当科での後期研修(1年間)もしくは初期研修(9~11ヵ月間)の到達目標

  1. 統合失調症、気分障害などの薬物療法、精神療法、リハビリテーションなどの治療技法の修得。診断、病因、治療薬の作用機序について各分野のスペシャリストによる教育を受ける。
  2. 摂食障害、不安障害などの心理的介入をより必要とする精神疾患における精神療法(認知行動療法を含む)、薬物療法などの治療技法の修得。精神療法・臨床精神病理のスペシャリストによるマンツーマンの教育、スーパーヴィジョンによる臨床教育を受ける。
  3. 老年期、児童思春期、青年期など世代に特有の精神病理・心理に基づいた専門診療能力の習得。
  4. てんかん診療についての専門的診療能力の修得。発作症状とてんかん診断の理解、脳波の判読、発作記録の解析、画像診断(MRI、SPECT、PETなど)、薬物療法の実際、合併症状(知的障害、精神症状、心因性発作など)への対応、生活指導などについててんかん診療のスペシャリストによる教育を受ける。
  5. 認知症性疾患・脳器質性疾患・症状性精神障害の診断(認知機能評価・神経学的診察・画像脳波診断)と治療についての専門的診療能力の修得、病因についての神経科学的理解。
  6. 精神科外来、入院、他科へのリエゾン往診など精神科診療全般にわたって、指導医の丁寧な指導のもと多数の症例を経験する。他科との連携では、緩和ケア、肝・腎・心移植の術前術後のメンタルケアなどを経験する。
  7. 精神保健福祉法を正しく理解し、医療保護入院、措置入院、任意入院についての適切な手続きを指導医や精神保健福祉士の指導により実施することを学ぶ。
  8. 画像診断、精神療法、薬物療法、精神病理、精神科リハビリテーション、最新の神経科学について広範かつ統合的に理解することにより、オールラウンドに専門知識を有する精神科医となることを目指す。これらの専門的な教育を基礎として、精神科の各専門分野のスペシャリストをさらに目指すことが可能になる。

当科での研修後に勤務する北海道内の地域の中核病院(専門研修プログラムの連携施設)について

当科での研修を受けた後に、北海道内の地域の中核病院でより実践的な精神科研修を受けます。精神科専門医を目指す場合、当科での1年間の研修のほかに地域で2年間の研修を受ける必要があります。2ヵ所の病院を各1年間もしくは1ヵ所の病院で2年間の研修を受けることが原則となります。2018年度からの専門研修プログラムでの連携施設は以下の13ヵ所ですが、いずれも指導経験豊富な精神科専門医・指導医が在籍しています。
専門医を目指す研修期間ではありますが、主治医として責任を持って数多くの経験の診療にあたり、当科での研修で学んだことを実践して自分のものとしていく期間となります。

1.市立札幌病院
:総合病院有床精神科(主に急性期、身体合併症を有する症例)
2.北海道医療センター
:総合病院有床精神科(主に身体合併症を有する症例)
3.市立小樽病院
:総合病院有床精神科
4.岩見沢総合病院
:総合病院有床精神科
5.市立室蘭総合病院
:総合病院有床精神科
6.国立帯広病院
:総合病院有床精神科
7.市立釧路総合病院
:総合病院有床精神科
8.滝川市立病院
:総合病院有床精神科
9.倶知安厚生病院
:総合病院有床精神科
10.市立稚内病院
:総合病院有床精神科
11.八雲総合病院
:総合病院有床精神科
12.北海道立向陽ヶ丘病院
:単科精神科病院
13.函館渡辺病院
:総合病院有床精神科(私立病院)

いずれの施設も地域の精神医療の中核的役割を果たしている病院で、あらゆる精神疾患に対応しています。

連携施設(2年間)での研修内容と到達目標

  1. 1年間北海道大学病院精神科でうけた教育の実践。主治医として主体的に精神科診療(入院・外来・他科リエゾン往診)を行い、随時指導医のバックアップ、指導、助言を受ける。
  2. 定期的な症例検討会、文献抄読会、研究発表などの指導を受けることにより、精神科医としてのレベルアップを目指す。
  3. ほぼ全ての精神疾患について単独で診断、治療する能力が習得される。
  4. 主治医として、チーム医療の中心的役割を果たすことができるようになる。
  5. 精神保健指定医と精神科専門医を取得する上で必要な症例を経験できる。
  6. 精神保健指定医、精神科専門医申請の際のレポート作成に際しては、丁寧な指導を受けることができる(近年の精神保健指定医の合格率100%!)。

専門研修プログラム終了後について

原則3年間の専門研修プログラム終了後は、それぞれのキャリアパスに応じて、以下のようなさまざまな選択肢が用意されています。

  • 当科での専門的診療・研究(大学院を含む)
  • 児童精神科医を目指して当大学の児童思春期精神医学講座での専門的診療・研究(大学院を含む)
  • 上記の当科連携施設での診療を継続し、指導医を目指す
  • 民間の単科精神科病院での診療
  • 当大学の他の研究室(基礎講座)での研究(大学院生)
  • 医療観察法病棟を有する病院や北海道外の連携している施設での研修
  • 他大学・研究所への国内留学
  • 海外留学

進路については、各研修医の希望を毎年アンケートし、個々の希望が実現するように当科医局が相談に乗っています。大学の医局ということで決まったレールが敷かれるのではなく、個々が希望するキャリアパスを実現するために医局が一緒に考えていきます。

給与・待遇・将来の就職

北海道大学病院卒後臨床研修プログラムでは、初期研修医として、給与が支給されます。後期研修医は北海道大学病院の医員としての給与が支給され、さらに市内の精神科病院での当直などでの収入も得ることができます。3年目以降の北海道大学病院精神科関連の研修病院では常勤医・正職員としての給与が支給されますので、十分な収入が得られます。また、指定医、専門医取得後の就職先も十分にありますし、独力で診療する能力を習得した後は、精神科クリニックの開業も可能です。

お問い合せ

北海道大学精神科での初期卒後研修についてのご質問、お問い合せは、医局長 賀古 勇輝 までご連絡下さい。

TEL:011-716-1161 ext.5973
FAX:011-706-5081
E-mail:yukikako@nifty.com